台湾に心惹かれる

台湾に心惹かれる


4度目の台湾旅行を終えた。
今回も楽しかった。

前々回2度目の台湾旅行を終えた時、ヘトヘトで帰国して、もう台湾はいいかなと思った。
あれはきっと暑い中歩き回ったせい。
暑さにやられてしまうと何を見ても楽しくなくて、食欲もわかなくて、街中に漂っている台湾独特のご飯の匂いがきつかった。

それがひょんなことからまた台湾に行くことになって、余裕を持った旅をしてみると、また楽しくなった。
余裕のない旅はその国が好きかどうかの判断にまで多大な影響を与えてしまう。

 


4度目の今回は天候に恵まれ、ゆったりした環境で台湾に滞在できた。
改めて考えると、やっぱり魅力的な国だなと思う。

今、もうすでに行きたくなっている。
なぜこれほどまで惹かれるのか、適当に考えてみたい。
4回渡航し、トータルで1ヶ月滞在しただけのツーリストとして。

 


 台湾の路地の雰囲気が好きで、これまで経験してもいないのにノスタルジックな感覚になる。建物は日本のものに似ていそうで似ていないのに。
路地裏を歩いているとちょこちょこ現れるお寺では、その線香の香りと流れている鐘の音で平和な時間が流れている。
しばらくの間ぼーっと座っていると、頭がどこかへトリップしてしまうぐらいリラックスする。

 


夜の雰囲気もいい。
看板のネオンとオレンジの街灯が相まって独特の雰囲気を醸し出す。
映画やミュージックビデオなど照明さんいらずで撮影ができそうで、どこで撮っても絵になる。
日本のミュージックビデオで、台湾で撮影しているものが結構あるのもわかる。

 

台湾はリノベーションが盛んで、建物の外観は残して中を新しくする。
リノベーションは台湾全土で行われており、これによって国全体でオリジナルな雰囲気を形成している。

 


とは言っても、もちろん新しく建てられた施設もあり、新旧入り交じって存在している。
建物は圧倒的に古いものが多いが、両方を楽しめる幅がある。
古い建物でも中身は頻繁に入れ替わる。

 


世界的に自国で作られたものを大事にしようとする流れがあるが、台湾もその一つ。
MIT(メイドイン台湾)を謳ったのものを目にする機会も多く、デザイン性が高いものが多い。
このデザイン性の高さは、世界的に有名な台湾のデザイナー、アーロンニエの功績が大きいと思う。

 



なんといっても食は美味しい。
台湾は基本的に薄味で、薄味が好きな自分にはぴったり。
汁物は特に薄味で、たまに「塩の分量間違えたのかな」というぐらい薄く感じるが、飲み干した時には満足できてしまう。
日本の食事は世界的に見ると塩分が多いので、それに慣れていると外国の食事が薄く感じてしまうということもある。
10日間台湾に滞在した後、帰国後最初に食べたコンビニのおにぎりがしょっぱすぎて、それこそ逆の意味で「塩の分量間違えたのかな」と思った。
日本に行った台湾人に「日本人はあれだけしょっぱいものを食べて腎臓大丈夫なの?」と心配されてしまうのも頷ける。

台湾も物価は上がっており、他国の料理は日本とさほど変わらない価格だが、ローカルフードはまだ安い。
1食400円もあれば食べられ、日本だとチェーン店にしか行けない価格で手間ひまかけた料理が食べられる。
安い店でも出汁をとっているところに台湾人が食を大事にしていることを垣間見ることができて、どの店も大体美味しい。看板もないような店が有名店に負けないぐらい美味しいこともあるから侮れない。
なお、日本で有名な小籠包は台湾の人はあまり食べなくて、普段は水餃子の方が食べられている。

そしてお茶はめちゃくちゃレベル高い。
最初、ドリンクスタンドの「烏龍レモン」を飲んだ時、その烏龍茶のうまさに目が飛び出そうになった。

 


台湾は夜が面白い。
夜市に代表されるように多くのお店が夜中まで営業している。
飲食店はもちろん、マッサージやドラッグストア、お土産屋も深夜1時・2時まで開いているところも多く、24時間営業のお店も結構ある。
これが夜型の自分にはぴったりで、昼前ぐらいから出かけて夕方一度ホテルに帰り、また夜出かけるというサイクルで遊んでいる。

以前は夜市でも食事をしていたが、屋台の料理は油をたっぷり使った物が多いので、値段も変わらない食堂で食事をすることが多くなった。
夜市は冷やかしで行くだけでも面白い。
日本に負けないぐらい治安が良いから、夜プラプラしても大丈夫。

 


台湾では相席になることも多いけれども、あまり嫌じゃない。
これは外国だからというだけでなく、台湾の人は他人のことをほとんど気にしないから。
みんな自分の世界に集中してる。

ただ、他人に関心がないわけでもなくて、困った時には何度も助けてもらっている。
この辺は台湾の本で一番好きな「k.m.p.の、台湾ぐるぐる。」で書かれているとおり、他人を目の端に入れていて、助けが必要だなと思ったら声をかけるという感じに見える。
実際に、立ち止まって調べ物をしている時に声をかけられたことはないけれど、本当に困った時(コインロッカーの使い方がわからなくてウロウロしてた時など)は絶妙なタイミングで手伝ってくれた。

 


接客がぶっきらぼうだと言われる台湾。
それはたぶん、店員とお客はあくまで人対人で、作り笑顔や余計なサービスは必要ないという考えから。無意識的にかもしれないけれど。
本当に笑いたい時に笑い、話したい時に話し、食べたい時に食べる。素のまま。
過剰でマニュアルそのままな接客よりは良い。

そして、おそらく心根は優しい人が多い。
一度バスに乗った時、日本の女の子たちが小銭がなくて焦っていた時に、隣のおばちゃんがその子達の分まで払っていたことがあった。
女の子たちは「すごい優しくな〜い?」と言って感謝していた。

他にも、長距離電車で指定席に座っていた女の子が自由席で座れないおじいちゃんに席を譲ったり、車椅子の人がバスに乗る時にそこにいた全員が一斉に立ち上がって押してあげたり、盲目の人が横断歩道を渡る時に通りがかった人がバイクを降りて手を引いて行ってあげたりと、短い滞在期間でいくつもの善意を見た。

 


また政治への関心も高く、先日行われた選挙の投票率は75%だった。
海外に住んでいる台湾人も戻って投票するほどで、政治が自分の生活に密接に関わっているということを感じている人が多い。

当たり前だけど、どの国に住んでも政治は個人の生活と直結していて、例えば休日の日数とか、給料の高さとか、生活費の高さとか、時には直接命に関わることまで決まってくる。

今回の新型コロナウイルスへの対応もとても早く、いち早く中国本土からの渡航を禁止し、スマホの速報機能を使って感染者がいた地域を知らせたり、マスクの不正価格や買い占めを止めるべくコントロールしたりと、徹底した対策を行っている。

 

 
その他コーヒーやパンのレベルも高かったり、アジア初となる同性婚法制化を実現したリベラルな雰囲気があったり、まだまだ魅力的な所があるが、疲れたからもうやめよう。

そう、一方で残念な所は交通マナーの悪さ。
めちゃくちゃ飛ばすバスや歩行者が渡っている横断歩道に突っ込んでくる車、夜市の人混みの中を走るバイク。。
台湾人はバイクや車に乗ると人格が変わるという笑い話がある。

まだ表面的なものしか見えていないから、深い所はもっと長期間滞在してみないとわからない。
これからも台湾に行って見てみよう。
遊びたいところや食べたいものもたくさんあるし。

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